電源入らず マザーボード故障?VAIO VJS151C11N
電源が入らなくなったと水戸市のお客様がSONY VAIO VJS151C11Nをお持ち込みされました。
2016年にソニーストアで購入されたパソコンのようですが、ハイスペックなので動作も速く気に入っているので何とか安価に修理をしたいというご緒要望です。
診断の結果、マザーボード(メインボード)の故障が確定されました。
パソコンのパーツは、メーカーから取り寄せる事が出来ません。
また、以前はマザーボードの交換修理は60000円ほどでメーカー修理が出来たのですが、ソケット式だったCPUがマザーボードに半田付けされてからは90000円ほどの修理費用がかかるらしいです。
更に、2016年発売モデルの場合、メーカーの保守期間を過ぎているためメーカーでは修理自体の受付をしてくれません。
パソコンの修理は断念、お買い換えをするしか方法が無くなってしまったのです。
が...、購入時価格(20万円?ほど)という事を考えると簡単に諦めるのは勿体ない、動作自体には何の不満も無かったという事から、中古でも何とかマザーボードの調達をする事となりました。
搭載CPUがCeleronで安価に購入されたモデルなら修理断念をご提案するのですが...。
探し当てたマザーボードは、動作は問題のない中古のVAIO VJS151C11Nです。
40000万円以内で修理が出来ればと考えていたのですが、動作品なのでなかなかの高額パソコンです。
ここからマザーボードを取り外して故障パソコンに組み替えます。
分解して確認するとマザーボードの型番も全くの一緒、パーツ構成が違っていたのですがM.2スロットもあるので丸々移植が可能です。
交換後は元通りに動作するはずですが、OS、MS Officeのライセンス認証は必要になりそうです。
取り外したマザーボードです。
黄色枠が半田付けされたCPU、黄色枠部分がM.2スロットです。
SSDはM.2 SATAが搭載されていましたが、M.2 NVMeの装着可能かは確認しておりません。NVMeだと数倍データ転送が速いのですが...。
何故?CPUがソケット式からBGA接着(半田付け)なったのか...。
技術の進歩が一番の理由です。
CPU自体の消費電力、発熱を抑える事が出来るようになったため半田付けが可能になったのです。
高発熱のCPUは、マザーボード自体が熱くなるため膨張伸縮を繰り返してしまい発熱の多いCPUは半田クラックを起こして故障が多発してしまうのです。
だからソケット式という方法が取られていたのだと考えています。
最新CPUは消費電力、発熱を大幅に抑える事が出来たのでACアダプターも極端に小さくなりました。
しかし、負荷のあまりかからない作業の場合は性能を抑えているので動作が少しまったりしている?と感じます。
最新のパソコンはとにかく速い!と思われている方も多いと思いますが、ストレージがSSDへと移り変わってきたからなのでパソコン自体の性能が向上したからなのです。
SSDにも速い、遅いはありますが、HDDとの比較では約5倍速いので2016年モデルでもSSD搭載であればまだまだ現役でお使い頂けるのです。
マザーボードの交換で無事に元通りに...。
OS、MS Officeはライセンスの再認証が必要でした。
今回の修理ですが、修理費用はドナーとなった中古パソコンの購入価格に少し上乗せした程度です。
取り外したパーツが中古パーツとして流用出来なければ赤字修理となってしまいました。
しかし、予定していた予算内で修理が出来たのでお客様には大変お喜び頂けました。