暗号化BitLocker回復キーを求められる DELL Inspiron5155
水戸市のお客様が、購入して約半年のパソコンの起動が出来なくなったとご来店されました。
パソコンはDELL Inspiron5155のラップトップ(ノート)です。
症状は、電源を入れると「回復キー」の入力を求められる画面が現れ、マイクロソフトアカウントから「回復キー」を探し出して入力するも問題解決が出来なかったという事です。
重要な保存データがあるため「工場出荷状態に...」という初期化方法は選択出来ないため、データを残して初期化という方法を選択したのだがエラーで初期化が出来なかったという事です。
この症状になる前から疑問点がいくつかあり、保存データは僅かなのに空き容量が80GB程度に...、SSDの容量は256GBです。
お客様は、保存データを残してパソコンを使えるようにというご要望です。
こういったお客様に共通して言えるのは、使われているパソコンが暗号化されているという事を認識されていないという事です。
BitLockerで暗号化されているという事は、マイクロソフトアカウントがありお使いのデバイス(PC)が登録されているという事です。
デバイスの詳細から「回復キー」を確認する事ができるためプリント、写真、USBメモリーなどに保存するようにしてください。
PC内に保存されても起動が出来なくなれば確認する事が出来ません。
BitLockerで暗号化されているか否かは、マイコンピュータを開き、ドライブ部分に「鍵マーク」が付いていればBitLockerで暗号化されているので回復キーを保存してください。
最悪でも、マイクロソフトアカウントとパスワードをしっかり管理していればスマホからでもサインインして「回復キー」を見つけ出す事が可能です。
今回の処置方法ですが、搭載SSDを取り外して直接データ復元を行い、パソコン修理後に元のルートディレクトリに再保存するという内容です。
ついでにですが、容量不足なので500GBのSSDへとアップグレードを行います。
DELL PCに搭載されているSSDは、DELL規格なのかSSDの規格としては珍しい形状をしています。
M.2 NVMe規格なのだが、サイズが小さいのだ。
本来、80mm、60mm、40mmという規格のはずなのだが30mmほどの大きさなのです。
このInspiron5155には、80,60,40mm規格のSSDも搭載出来るように作られていたので80mmタイプのM.2 SSDも搭載可能です。
SSDメーカーが製品として販売している規格はほぼ80mmタイプで、PCメーカーにOEM供給しているSSDには60、40mmタイプがあるようです。
今回採用したSSDはWD製500GB、比較的に安価なのだが性能的には高性能とコスパの良いSSDです。
作業は予定通りに完了したのですが、搭載されていたSSDのベンチマークスコアを測定してみました。
スコアを見て愕然としました!。
データ転送の速いはずのM.2 NVMe SSDなのに...、2.5インチSATA SSDよりも性能が悪かったのです。
2.5インチSATA SSDの場合、リード、ライトとも500GB以上のスコアが出るはずです。
SSDは速い!という事を認識されている方が増えていますが、SSD搭載ならみんな同じではないのです。
今回、当社が搭載したSSDのスコアが下写真です。
読込速度で約8倍、書き込み速度で約5倍以上も高速なのです。
実際に、SSD搭載なのに動きが悪いとご来店されるお客様もいらっしゃいます。
そんな時は、性能の良い容量の大きなSSDへと換装修理をするのです。
性能の良くないSSDでもHDD搭載パソコンよりは確実に動作は速いのですが、SSDをすべて同一とは考えないようにしてください。
本来、メーカーが採用しているSSDの性能なんてこんな感じなのです。
価格競争なので安価なパーツを使ってという事なのでしょう。